末那識と阿頼耶識の二つの識は密接に関連しており、末那識は阿頼耶識なくして存在できず、離れれば滅びます。しかしながら、それぞれが独自の本質と心性を有し、異なる機能を果たすことに矛盾はありません。末那識が弁別する対象は阿頼耶識が現出した法であり、弁別すべき法が多岐にわたるため、智慧が微細に至らず、おおまかな輪郭のみを弁別し得ます。細やかな弁別を為すには、六識の補助を得て初めて選択判断が可能となります。阿頼耶識には我執がなく、完全に業種に基づいて一切の法を形成し、また因縁と末那識の意欲に従って一切の法を生じさせます。阿頼耶識が何らかの法を運行する際には、必ず末那識が同時に運行しており、もし虚妄なる世俗法の運行が必要なければ、阿頼耶識は涅槃に入り無為の境地に至ります。
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