現観如来蔵とは何か

問：如来蔵を証得した後にその体性を現観できるというが、この「現観」はどのように理解すべきでしょうか。意識心で観るのか、それとも父母から生まれた肉眼で観るのですか。

答：如来蔵は形も相もなく、肉眼では決して観察できません。眼識は有形質の色のみを認識でき、意識心こそが如来蔵を観察し得るからです。意識が大智慧を生じる時、如来蔵の運行の行相を観察することができ、これを観察すれば我々はその様々な体性を知ることができます。それにより、如来蔵が如何に七識五陰と協調して一切の法を成就しているかを理解するのです。

これによって如来蔵に関する別相智を具え、さらに我々の道種智を生じさせます。道種智が円満に具足すれば、一切種智を成就し、その時こそ円満なる仏となるのです。

如来蔵の運行には行相があり、この行相が法相です。この法相を了別し証知できるのは意識心のみであり、これは意識心の見分と自証分の機能作用によるものです。八つの識自体の運行には全て行相があり、意識心はこれを全て了別観察できます。意識が自らの運行を観察する時、それは証自証分であり、自らの存在と運行、及び自らが置かれた状態を証明することができます。これを反観と呼びます。他の識におけるこの反観性は、悟前には観察できず、地前の段階では極めて観察が困難です。