速やかに禅定に入るためには、身体と意識を極力緩める必要がございます。座禅を組む際には身体の力を抜き、必ず身心を空しくすべきです。腕と手、肩を緩め、足と脚の力を抜き、肩や腕や手に余計な力を入れず、全身を弛緩させます。頭も自然に垂れ、軽くうなだれる程度に緩め、背中は自然に伸ばしつつも反らせず、肩は軽く後方へ引くようにして、一切の力を抜いておきます。身体に力が入ると姿勢が硬直し、気機の流れが停滞し、気脈が巡りにくくなり、身体が通じなくなります。
身体全体を完全に緩めた後、心の緊張も解き放ち、空無の境地に至ります。観想の対象以外は一切考えず、執着せず、何事にも拘泥せず、たとえ天が崩れ落ちようとも心を乱しません。身体の自然な成り行きに任せ、余計な干渉を控えます。身体を意識すればするほど執着が生じ、気機が動きにくくなり、気血の流れが阻害され、禅定の境地が損なわれます。逆に身心が空無に近づくほど、禅定は深まります。自己を完全に捨て去り、空無になる修練を重ねることで、速やかに禅定に入ることができるようになります。
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