如来蔵は外五境を了別するにあたり、単に五境の種子を弁えるのみならず、現前する五境の大まかな相状と微粒子の形態をも弁えています。如来蔵が四大の微粒子を摂取し得るゆえ、必ず微粒子の状態を了知しているのです。如来蔵が身根と器世間を了別するとは、種子が形成される状態を指します。無数の四大種子が混在し刹那に生滅する中、如来蔵は必ずや器世間の大まかな状態や構造などを了別していますが、それは六識の了別方式や内容とは異なります。如来蔵は器世間の現在の状態と未来の状態を知悉し、それによって器世間の状態を維持し変化させます。これにより、如来蔵の了別は単なる種子に留まらず、種子が既に物質色法となったものをも包含するのです。
如来蔵の行相は七識とは異なり、心の在り方に大きな差異があり、智慧の隔たりは更に甚だしいものです。七識は如何なる方法をもってしても、如来蔵の有する世間を超越した大智慧、一切の世間法を創造し顕現し保持する大智慧に及ぶことはできません。
如来蔵は五陰色身に対しても刹那刹那に保持と変化を施しています。必ずや五陰身の現状を了知し、次の刹那に如何に五陰身を変化させるべきかを知り、絶え間なく五陰身を業種と一致せしめております。次の瞬間に五陰身に病苦が生じるべきか、身体が損壊あるいは改善されるべきか、いかなる変化が発生すべきかを如来蔵は悉く弁えており、最後の息を吐くべき時機をも知り抜いています。それゆえ業種と業縁に基づき色身の変化を促し、縁に随って色身を造作変化させ、業種に符合せしめ因果を成就させるのです。
もし七識心が富を得んと欲する時、如来蔵はまず意根の心行を了別した後、業種を弁え、相応する業種の有無と富を得る縁の熟否を見極めます。縁が熟したならば、如来蔵は富を得る機会を創造し、種々の事象を形成して財貨を手に入れさせ、さもなくばこの事柄に対し無関心を貫きます。
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