欲取とは何か。諸欲に対するすべての欲貪を指す。見取とは何か。サキャヤ見(我見)を除き、その他の見解に対するすべての欲貪を指す。戒禁取とは何か。邪願によって生じた戒禁に対するすべての欲貪を指す。我語取とは何か。サキャヤ見(我見)に対するすべての欲貪を指す。最初の欲取は欲界の苦果のみを生じ、残る三つは三界の苦果を生じる。
釈:欲取とは、欲界のすべての法に対して生じる貪欲と執着である。見取とは、我見を除く他の知見への貪着をいう。戒禁取とは、理に適わぬ邪願から生じた禁戒への執着を指す。例えば外道が苦行で罪業を滅ぼせると考え、耐え難い苦行を誓い、無駄に自らを痛めつけるような戒律への固執である。我語取とは、我見から生じる一切の貪着をいう。欲取は欲界の苦果を生じ、見取・戒禁取・我語取は三界の苦果を生む。
欲界の法を執取すれば欲界の生死輪廻から離れられず、色界・無色界や諸仏国土へ往くことも涅槃も得られない。欲界衆生のみが欲界法を執取し、色界・無色界衆生は自界の法と涅槃・他仏国土を執取する。我見以外の見解は邪見が多く、例えば五陰身が梵天や神力で造られたとする説を執取すれば正見を失い解脱できない。我見から生じる欲貪は広範で、我見を断たぬ衆生は皆これを持つ。
原文:欲有とは何か。欲界の前時に存在する業有・死有、中有・生有、及び地獄・畜生・餓鬼・人・天の有を総称して欲有という。これは先に作られた諸行煩悩の影響によって熏発される。色有とは何か。地獄・畜生・餓鬼・人を除いた残りを色有と知るべし。無色有とは何か。中有を除いた残りを無色有と知るべし。
釈:欲有とは欲界に生じる存在状態を指し、業行の有・死の有・中有・生の有、及び地獄・畜生・餓鬼・人・欲界天の有を含む。これらは過去の欲界諸行煩悩業の影響によって熏発される。色有は地獄・畜生・餓鬼・人を除く色界の存在状態で、業有・死有・中有・生有を含む。無色有は色有から中有を除き、業有・死有・生有を指す。
欲界有は欲界の諸行、身口意の行い、受想行識、境界、五蘊の戒定慧、貪瞋痴の無明煩悩を含む。色界有は色界の諸行、身行意行、受想行識、境界と定慧を包含する。無色界有は無色界の諸行、意行、受想行識、禅定の境界を指す。
回向文:当ネットプラットフォームにおける全ての弘法と共修の功徳を、法界の衆生に回向し、世界の民衆に回向いたします。世界の平和を祈願し、戦争が起こらず、烽火が燃えず、干戈が永遠に止むよう。全ての災難が消退するよう。各国国民が団結し慈心をもって相助け、風雨順調に国泰民安となるよう。全ての衆生が因果を深く信じ、慈心をもって殺生を断ち、善縁を広く結び、善業を修め、仏法を信じ学び、善根を増長し、苦を知り集を断ち、滅を慕い道を修め、悪趣の門を閉じ涅槃の道を開くよう。仏教が永く興隆し正法が常住し、三界の火宅が極楽の蓮邦と成るよう祈念いたします。
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