衆生無辺誓い度す
煩悩無尽誓い断つ
法門無量誓い学ぶ
仏道無上誓い成す

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日常開示

2024年12月11日    水曜日     第1 回の開示 合計4296回の開示

慧心所法の運行作用

八つの識には全て慧心所法があり、慧とは明のことであり、慧がなければ無明です。慧心所法は、識心が縁となる相分を明らかにする性質を表しており、もちろんこの明らかさには程度の差があります。第八識のみが縁となる相分を完全に明らかにし、無明がありません。他の七つの識は縁となる相分に対する明らかさに程度の差があり、完全な明ではなく、無明が残っており、無明が明よりも多くなっています。明の程度は、縁となる様々な相分に対する明らかさの違いに現れ、異なる因縁条件の下で縁となる相分に対する明らかさも異なります。

慧心所法は他の心所法と並行して混合し、分離することなく運行します。もし識心が運行する過程で慧心所法が作用しなければ、識心の運行は混乱し、対応する相分を了別することが不明瞭となり、正しく道理に適った真実の選択を下すことができず、迅速な決断もできません。その結果は推して知るべしです。慧心所法は五遍行心所法が運行するあらゆる段階で作用し、五別境の他の心所法が運行する際にも作用しなければ、識心が混乱し、真実に即した道理に適った選択を行うことができません。

例えば眼識の運行において、眼識自身の最初の作意と触には慧心所法の関与がないかもしれませんが、その後の運行には慧心所法が関与します。眼識が色塵を受け入れる時、慧心所法が作用して色の正体を知り、その後色塵を執取する際に慧心所法が作用し、色塵を選択する際にはさらに慧心所法が作用します。慧心所法が強ければ強いほど、より智慧に満ちた選択ができ、結果もより善きものとなります。他の識も同様であり、特に第六識と第七識の運行においては、慧心所法の作用力がより大きく、慧も強くなります。ただしこの慧も世間的な慧と仏法上の慧に分かれ、世間慧は実際には無明であり、真の明ではなく、解脱や仏道成就につながらず、むしろ世俗の輪廻に深く陥り自覚しない可能性があります。

別境心所法の運行においても、慧心所法は同時にこれと共に運行します。慧心所は欲心所と結びついて運行し、勝解心所法と結びついて運行し、念心所法と結びついて運行し、定心所と結びついて運行します。しかし慧心所法の慧力には強弱があり、作用の大小によって結果に大きな差が生じます。


——生如法師の開示
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