法塵には六種あり、色塵中の法塵・声塵中の法塵・香塵中の法塵・味塵中の法塵・触塵中の法塵、及び独影境の六種なり。前五種は五俱意識によって了知され、後一種は独頭意識によって了知される。
禅定が比較的良好な時に色塵を観ずるには、本を読んでもよい、花を見てもよい、山を見てもよい、何を見てもよい。目を閉じて再び開く時、まぶたを開いた瞬間に最初に認識するのは必ず一つの色彩なり。これ眼識の了知する顕色なり。刹那の後、色彩に形状が生じ、長短・方円・厚薄を顕す。これ法塵なり、意識の了知する所なり。さらに後、色の相貌が明瞭となり、内包する特質が顕現する。これら全ては色の表色・無表色なり、法塵にして意識の了知する所なり。了知が究極に至れば名言が現前す。
全体的な了知の過程は、眼識が刹那に先立ち現れ、その後意識が現る。眼識単独では法塵を了知できず、意識単独では色彩を了知できず、両者和合して初めて眼前の色塵の粗色と細色を明らかに了知し、色塵の完全な相貌が顕現する。ただしこの中で眼識の了知する色彩が最初に現れ、色彩は最も粗大なる色なり。法塵は比較的微細なる色なり。より微細なる色程遅れて顕現す。意識の了知する法塵は後に現れ、その時間差は極めて短きものなり。二つの識は相互に依存し、欠くべからず。其余の四識と意識の関係もまた斯くの如し。
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