原文:弥勒菩薩は即座に座より立ち上がり、仏足に頂礼し、仏に申し上げました。「私は過去を思い返しますと、微塵劫という長い時を経て、日月灯明という名の仏が世に現れました。私はその仏のもとで出家を果たし、世俗の名声に心を奪われ、高貴な家柄を巡り歩くことを好んでおりました。その時、世尊は私に唯心識定を修習するよう教え導き、三摩地に入られました。劫を経る中で、この三昧によって恒河の砂の数ほどの仏に仕え、世俗の名声を求める心は次第に消え失せました。やがて燃灯仏が世に現れた時、私は無上妙円の識心三昧を成就し、虚空の果てまで及ぶ如来の国土、清浄と不浄、有と無のすべてが、実は私の心の変化によって現れたものであることを悟りました。世尊よ、私はこの唯心識の理を明らかにし、識性より無量の如来が流出することを知り、今や授記を得て次に仏の座を継ぐこととなりました。仏が円通を問われたので、私は十方世界が唯識であることを諦観し、識心が円明であるが故に円成実性に入り、依他起性と遍計所執性を離れ、無生忍を証得いたしました。これが第一の道でございます」。
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