原文:汝が体の最初の因は、父母の想いによって生じたものである。もし汝の心に想いがなければ、来ることもできず、想いの中に命を伝えることはない。私が先に述べたように、心で酢の味を想えば口に涎が生じ、心で高い所に登ることを想えば足の裏に酸っぱさが起こる。崖は存在せず、酢の物も未だ来ていないのに、汝の体が虚妄と通じ合うはずがない。どうして口水が酢の話によって出るのか。故に知るべきである。汝が現に持つ色身は、堅固なる第一の妄想と名付けられる。
釈:あなたの色身は、最初に父母に対する想いによって生じたものである。もし心に想いがなければ、父母を感得せず、父母の欲想の中に命を伝えることはない。中有において衆生は、意根が胎児となることを想い、色身を想うが故に父母と出会い胎児となる。先に述べたように、もし心で酸っぱい酢の味を想えば、口に涎が生じる。心で高い山に登ることを想えば、足の裏に酸っぱい感覚が生じる。目の前に崖は存在せず、酸っぱい物も現れていないのに、あなたの体が幻想の物体と接触するはずがない。どうして酢の味について話すことで涎が出るのか。よってあなたは知るべきである。現れている色身は、堅固なる第一の妄想と呼ばれる。これは色蘊が堅固なる妄想であることを説く。
1
+1