意根と第八識の二つの識は密接に結びついており、意根は第八識なくして存在することはできず、離れれば滅びます。しかしながら、それぞれが独自の本質と心性を有し、異なる機能を発揮することに矛盾はありません。意根が了別する対象は第八識が現出した法であり、了別すべき法が膨大であるため、智慧が微細に至らず、おおまかな輪郭のみを了別し得ます。細部にわたる了別を実現するには、六識の補助を必要とし、その後初めて選択を下すことが可能となります。第八識には我執がなく、完全に業種に基づいて一切の法を形成し、また因縁と意根の意向に従って一切の法を生じさせます。第八識が何らかの法を運行する際には、必ず意根が同時に運行しており、もし虚妄なる世俗法の運行が必要なければ、第八識は涅槃の境地に至り作為を止めます。
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