多くの人々は煩悩を生じ、自他に良からぬ影響を及ぼします。意識では良くないと分かっていながら、どうすることもできません。意識は末那識を制御できず、ただ末那識の煩悩に従い、その支配を受けるばかりです。意識は不適切と知りつつも、その理解は粗雑で、末那識は無知であるため、煩悩を断つことが叶いません。意識は末那識を染めるべく仔細に思惟を重ね、末那識が真理を悟れば、意識は末那識を制御し、煩悩を断つ境地に至れるのです。
末那識は無明の煩悩を抱えて来世に赴きます。意識が来世に行くのではありません。故に意識が学び知り解したことは、如何なる手段を用いても末那識に定着させねばなりません。さもなくば意識が滅びた時、無知無識の末那識が胎に投じ、良き果報を得られないでしょう。林に二羽の鳥がいるより、手に一羽を持つが如し。意識が学び解した知識を倉庫に収めなければ、意識が滅びた後、来世に用いるべき種子が失われ、これほど惜しいことはありませんか。
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