衆生無辺誓い度す
煩悩無尽誓い断つ
法門無量誓い学ぶ
仏道無上誓い成す

生如法师のウェブサイトロゴ

日常開示

2020年06月09日    火曜日     第1 回の開示 合計2385回の開示

磨塼成鏡

昔、馬祖道一禅師がまだ仏法の修証を理解していなかった頃、成仏は座禅だけで達成されると考え、成仏が禅定と智慧の結合による結果であり、定慧が円融して初めて身心世界を形成・変化させ得ることを知りませんでした。懐譲禅師が仏教のために英才を求めていた時、馬祖道一に出会い、彼が終日座禅に没頭する様子を見て、その非凡な風貌と気高さに祖師たる資質を認め、仏門の龍象となるよう教化しようと決意しました。懐譲禅師は馬祖道一の目の前で瓦を激しく磨き始め、その動作に馬祖の注意を引きつけると、「瓦を磨いて鏡を作っている」と説明しました。馬祖が「瓦を磨いて鏡にはならぬ」と首を振ると、懐譲禅師は「座禅しても成仏できぬ」と諭したのです。

そこで馬祖道一は謙虚に成仏の方法を尋ね、懐譲禅師は成仏の理論と道程を解説しました。成仏にはまず根本仏性を明らかにする必要があり、明心見性を果たして初めて成仏が叶うと。では如何にして明心見性するか。参禅において禅定のみならず智慧を兼ね備え、定慧を等しく保ち偏ることなき時、大智慧が開け明心見性し、遂に成仏に至るのです。修行の道程において一切の法を円融具足し、偏りなく実践してこそ成仏できます。智慧を欠いてただ座禅に耽れば智慧は開けず、また禅定なく理屈や思弁に偏れば同様に大智慧は開けません。両者を結合して初めて一切の智慧を具え、円満なる成仏を成就するのです。馬祖道一はこの成仏の理を悟ると日夜修行に励み、遂に明心見性を果たし、一代の祖師となりました。

——生如法師の開示
前の記事前の記事

七つの識の所縁の境

次の記事 次の記事

意根先見法

ページのトップへ戻る