性境とは、五識が縁として見る相分であり、意識はその中で思惟分別を加えず、五識が縁ずる後には、あるがままを見るもので、意識の勝解によって影響や変化を受けません。例えば陽光に触れる時、熱を感じる身識はただ熱さを覚え、余計な議論や是非なく、明るさを見る眼識はただ明るさを見るもので、何らの煩わしさもなく、極めて直接的で、意識が長々と分別して名相を弄び、心行を起こすこともありません。
独影境とは独頭意識が単独で縁ずる境であり、五識は関与しません。意識が心を起こせば独影境が現れ、意識が正しければ独影境も正しく、意識が邪ならば独影境も邪となり、境は意識に従って転変し顕現するもので、自主性も自体性もありません。
帯質境は必ず衆生の根本第八識より伝送されるもので、第八識が最も根本的な四大種子から成る実法を縁とし、第七識が再び縁ずる時、第八識は実法を再び幻化して現れる幻化の境であり、この時の塵境は一定の実質を帯びた法であるため、第七識が縁ずることができ、これを真帯質と呼び、第八識の縁ずるものや六識の随縁とは異なります。
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