未到地定を得るにはどうすればよいでしょうか。

未到地定を得てそれを保つためには、日常生活において心を現在の行為に集中させねばなりません。主要な事柄に専念し、些細な雑事に心を煩わす必要はないのです。重要でないことをする時は内心に集中し、外部の事柄はわずかに認識する程度で構いません。失うものがあってこそ得られるものがあるのです。あらゆることを気にかければ、何事も精通できず、結局は無為に終わります。雑事の束縛から即座に解脱し、主要な事柄に専心する訓練を積まねばなりません。心に余計なものを抱かなければ禅定が現れるのです。

人生で成功を収めるには、必ず集中力を養い、主要な事柄を選んで取り組むべきです。無益なことに心を浪費してはなりません。禅定を修得すれば、物事への智慧が増し、あらゆることを上手く成し遂げられるようになります。あらゆることに興味を持ちすぎると、広く浅くはなれても精通には至りません。精通こそが重要であり意義深いのです。精通は智慧を表し、智慧あれば何事も成就できます。仏に成ることさえ可能なのです。

現代人は貪欲で、何事にも興味を持ち、全てを知りたがり、あらゆることに参加したがります。求めるもの太多く、注目するものも過剰なため、往々にして何も成し得ず、何も得られないのです。取捨選択を知らぬ者はこのような結果を招きます。得ようと願うなら専心して求め、不必要な人や事柄を多く捨て去らねばなりません。そうしてこそ願いが満たされるのです。人間は両手しかないのに全てを掴もうとする様は、熊がトウモロコシを掴んでは落とすように、最後に一穂を得られれば幸運と言えるでしょう。

自身がダウンロードした各種アプリの関心対象を点検すれば、禅定を修得できるか、心に定力を保てるかが判別できます。それらの情報を一生懸命追いかけても何の意味があるでしょうか。世の中の様々な新奇な事柄を知り尽くしたところで、いったい何を得られるのでしょう。この人生で本当に求めるものは何ですか。

十年二十年も仏法を学びながら、自分に相応しい教えを見出せない人々がいます。あらゆる宗派に触れ、様々な教えを学び、博学そうに見えますが、実は何も身につかず、どの教えも理解していません。目的なく右往左往する様は、まるで帰る場所を見失った流浪者のようで、なんと哀れなことでしょう。

私は幼少期から常に内心に集中し、自分の思索に没頭する習慣がありました。外界の人々や事柄には興味がなく、周囲で起こる多くの出来事を知らないこともあり、やや堅物に見えたようです。しかし思考面では非常に落ち着いており、成人よりも成熟した面がありました。何事にも独自の見解を持ち、世俗に流されませんでした。家庭では何も気にかけず、人々の談笑にも加わらず、祝日も片隅で本を読んで過ごしました。家事を任されることもなく、ただ読書に専念していました。出家後に初めて炊事などの雑事を覚え、一度習得すれば集中して上手くこなせるようになりました。

幼少期から独居を好む習慣があり、人と無駄話をすることはありませんでした。何事も一人で行うことを好みました。当時は散歩を好み、夕食後は一時間ほど速歩きで外出していました。ゆっくり歩くのではなく、思考に集中するため、周囲の人間が追いつけない速さでした。人に付きまとわれると迂回して振り切り、基本的に人と歩くことはありませんでした。必要な指導や相談事がある時以外は、常に孤独な速歩きを続け、誰も追随できませんでした。これこそが禅定の修行なのです。無意味な人付き合いに時間と精力を浪費せず、雑念を排し、自心に専念するのです。