夢の中の境界は全て独影境であり、法塵境であります。比較的実在性のある性境五塵は存在せず、五塵が欠如しているため、独影境は不完全であります。独頭意識が単独で了別する法塵は極めて不明瞭で、大まかであり、甚だしく虚妄不実であります。故に意識と意根は明晰に了別することができず、誤謬は避け難く、時に甚大な過誤を生じ、往々にして取り違えが生じます。夢中では意根の了別が主導的役割を果たし、意根は慣れ親しまない境界に対する了別の智慧が弱く、正確な判断力を欠くため、了別する法は曖昧模糊としております。
仮に夢中に五塵境が存在すれば、五識が了別に参与することとなり、覚醒時と差異がなくなり、もはや夢境も睡眠も存在しなくなります。
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