衆生無辺誓い度す
煩悩無尽誓い断つ
法門無量誓い学ぶ
仏道無上誓い成す

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日常開示

2020年07月02日    木曜日     第1 回の開示 合計2441回の開示

夢の中に五識はあるのでしょうか

五識が現れるためには、必ず五塵境が必要であり、五塵がなければ五識は生じません。夢の中の境界は全て独影法塵境であり、比較的実在性のある性境五塵が存在しないため、五識は生じません。五塵を欠くため、独影境は不完全となり、独頭意識が単独で了別する法塵は曖昧で、大まかに虚妄不実なものとなります。そのため意識と意根は夢境を必ずしも明確に了別できず、誤差は避けられず、時に大きな誤りを生じ、しばしば事実と異なる認識をします。夢の中では意根の了別が主導的となり、意根は慣れない境界に対する了別の智慧が弱く、正確な判断力を欠くため、了別する法は不明瞭です。意根に定と慧がある場合、あるいは非常に慣れた境界に対しては、ほぼ正確に了別することが可能となります。

もし夢の中に五塵境が存在すれば、五識が了別に参与することになり、覚醒時と差異がなくなり、夢境や睡眠という概念も存在しなくなります。夢の中で血の川を見て赤いと感じる場合、本来なら眼識が赤色を了別するはずですが、夢の中に眼識は存在せず、誰が赤色を知覚するのでしょうか。楞厳経によれば、ある程度修行が進むと、意根が六識の機能を代替できるようになり、一般的に夢の中でも意根は五識の機能を代替します。従って五識が了別すべき五塵を意根も縁とし、ある程度粗雑ながらも了別を行い、赤い血が流れていることを認識します。しかしながら、意根が夢の中で血や火の色を認識できない人も存在します。意根は時に五塵境を認識し、時に認識せず、夢の中に赤い炎のような色彩が存在するように感じる場合もあれば、本来鮮やかな色彩であるはずの夢が無色彩となる場合もあります。

人間道の衆生には勝義根が存在し、畜生道の衆生にも勝義根があります。畜生の色身は人間の色身と同様、実四大種子から構成される肉体であり、脳を有し勝義根を備えています。勝義根に病変が生じれば、畜生も精神分裂や狂気を発症します。畜生の勝義根は業障の関係で人間より劣り、物事を認識する際に大きな錯覚を生じ、法を如実に知見できません。しかし各種の畜生にはそれぞれの種族に特有の長所があり、例えば夜間視覚に優れた者、聴覚が鋭敏な者、嗅覚や味覚、触覚に優れた者が存在します。ただし畜生全般として、意識の思考力は貧弱で論理分析力に欠け、多くは意根の直観力に依存するため、生存と空腹を満たすための殺業以外には他の悪業を計画的に造作することは稀で、純粋に報いを受ける衆生と言えます。

無色界四空天の衆生は無色の生存環境にあるため、色法五塵も色身も存在せず、従って勝義根も内五塵・内法塵も五識も存在しません。しかし意識・意根・第八識は保持されます。彼らの第八識と意根は永遠に不滅であり、意識も永続します。その意識が了別するのは定中の独影境であり、外法塵は存在せず独影境のみです。もし意識が滅すれば、第八識と意根のみが残り、これは滅尽定の境界に属します。従って無色界天人の意識も永遠に不滅で昼夜の区別なく、睡眠や休息を必要とせず、常に定中にあって独影境に対面します。

——生如法師の開示
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