衆生無辺誓い度す
煩悩無尽誓い断つ
法門無量誓い学ぶ
仏道無上誓い成す

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日常開示

2020年07月16日    木曜日     第2 回の開示 合計2469回の開示

衆生はブラックボックスの中でいかにして誕生するのか

まず、ブラックボックスがどのように現れるかについて述べましょう。ブラックボックスが後頭部の勝義根に位置し、身根の一部をなすものであるならば、それは身根の出現とともに生じるものです。身根は第七識と第八識が母胎に結生し、次第に形成されるものです。第八識が母胎内で身根を形成し始めて四ヶ月ほど経つと、後頭部の勝義根の原型がほぼ具わり、ブラックボックスが形成されます。

この時、胎児の外声塵と触塵は胎児の耳根と身根を通じて後頭部勝義根のブラックボックスに伝達され、内相分の声塵と触塵となります。これがブラックボックスの耳勝義根と身勝義根に触れることで、耳識・身識・意識が生起し、やがて母胎内の音声や外界の音声、母胎内の寒暖や自身の触覚・痛覚・圧迫感などを了別できるようになります。実際、胎児が認識するこれらはすべて自らの勝義根ブラックボックス内の情報であって、母体内外の情報でも胎児自身の身体の外塵でもなく、胎児の勝義根に内在する内声塵と内触塵に他なりません。

勝義根が更に発達を遂げると、香塵と味塵も浮塵根である鼻根と舌根を通じて鼻勝義根と舌勝義根に伝わり、内香塵と内味塵となります。これが勝義根中の鼻根・舌根に触れることで鼻識と舌識が生起し、母胎内の香塵と味塵を弁別しますが、実はこれらは胎児自身のブラックボックス内の内香塵と内味塵なのです。胎児のブラックボックスに内色塵は存在するでしょうか。存在しますが、根塵が触れても眼識は生じず、内色塵を見ることはできません。何故なら母胎内には光明がなく、眼識の生起には九縁が必要で、光明はその一縁だからです。

胎児の身根が完全に発達し、勝義根も円満に具わると、ブラックボックスの機能が十全となり、十月満胎を経て母胎を離れ嬰児となります。生まれたての嬰児はまだ目を開けられませんが、数日経つと目を開け、朦朧としながら自らのブラックボックス内の内色塵を見るようになります。内六根・内六塵・内六識の十八界が具わり、人相が円満となるのです。

——生如法師の開示
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