成仏する前は、八つの識の中で第八識のみが無為の心であり、無為法であります。いかなる法相をも造作する心がなく、いかなる業行をも造作する心がありません。因縁が具わらなければ、いかなる法も生じることはありません。第八識は常に縁に従って変わらず、変わらずに縁に従います。その無為なる特徴は縁に従うことであり、縁がなければ無理に事を為そうとはしません。第八識にはまた我性がなく、自ら主宰することもありません。第八識は心空無為であり、相無く願無きが故に、作ることもありません。よって第八識は主宰する識ではなく、我あるが故に主宰しようとし、あるいは我を以て主としますが、第八識は無我であるが故に、何らかの法を主導しようとする意志を持たないのであります。
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