戒定慧の三学

仏法の修証における重要な部分は、仏陀が繰り返し説かれる戒・定・慧の三無漏学であります。戒学は必ず厳格に戒律を守り、その後心が定まり、心が定まって初めて観行の智慧が生じ、観行が成熟すれば般若の大智慧が生まれます。般若の大智慧は非常に重要であり、解脱へと導くものであります。般若智慧の誕生は深く細やかな観行の智慧に依り、観行の智慧の獲得は禅定に依り、禅定の生起は戒律に依るのであります。戒定慧の三学は環の如く連なり、いずれも重要で、各段階が密接に関連し、欠けることなく、省略や放棄を許さず、さもなければ真の証得は得られません。

禅定を修得した後は、観行の智慧へと転換することを学び、心念を巧みに転換せねばならず、さもなければ禅定は永遠に禅定のままであり、外道の定と何ら変わらず、般若智慧を生ぜず、無我を証得できず、解脱自在を得られません。多くの人々が静座に興味を持たぬ理由は、心が散乱し坐り続けられぬため、動中の定に頼らざるを得ないことにあります。しかし静中の心は把握し難く、動中の心は更に把握困難であります。仮に動中の定を修め得たとしても、その定は静中の定に比べ浅く、心粗く、思惟細密ならず、観行の智慧も粗浅で、真の証得は不可能です。故に静中の定は基礎であると同時に最終の帰依処であり、大智慧は必ず静中の定より生じ、歴代の祖師諸仏菩薩も皆この通りであります。

静中の定を修め得れば、思惟は敏捷かつ微細となり、行住坐臥において心常に定に在り、煩悩を降伏させ、心境は軽安愉快、心念は自然と善念多くなります。故に静中の定は極めて重要であり、これこそ十方諸仏菩薩祖師大徳が伝えられた法宝であります。必ず大切にし、よく修持すべきであります。