衆生無辺誓い度す
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日常開示

2020年09月27日    日曜日     第3 回の開示 合計2654回の開示

雑阿含経第十二巻(二八五)之五

(五)原文:諸比丘よ、どう思うか。譬えば油と燈心を用いて燈明をともすが、もし油を増さず燈心を整えなければ、その燈明の光は未来に生じることなく、尽きて消滅するのではないか。比丘ら仏に白す、かくの如し世尊。かくの如く諸比丘よ、取る所の法を観じて無常生滅なるを知り、欲を離れ滅尽し捨離すれば、心は顧みず念わず、心は繋縛されず。愛が滅すれば、愛滅すれば取滅し、乃至純大なる苦聚も滅す。仏この経を説き終わると、諸比丘仏の説きたまう所を聞き、歓喜して奉行せり。

釈:世尊は説かれた。諸比丘よ、このことをどう考えるか。譬えば燈明に油を注がず燈心を増やさねば、その燈の光は未来に存在せず、全て消え去るのではないか。比丘ら仏に答え、然り世尊と。諸比丘らよ、己の執着する法を観察し、その無常と生滅性を知れば、心は貪欲を離れ、貪欲を滅尽し捨離し、五蘊の世間法を顧みず、これらの法に繋がれぬ。されば貪愛は滅し、愛滅すれば執取滅し、執取滅すれば三界の有滅し、有滅すれば生滅し、生滅すれば老死憂悲苦悩滅し、遂には巨大な純苦の集積も滅す。

世尊はここで燈明を生老病死の純大苦聚に譬え、油を貪愛の煩悩になぞらえられた。我々が燈心に油を注がねば、燈火は長からずして消える。同様に生死の大苦に貪愛の煩悩を増さねば、貪愛は次第に薄れ滅し、苦も消える。もし貪愛を増し続けば、生死の苦はますます積もり、何時か苦を滅する時があろうか。覚者は生死輪廻の苦において、更に煩悩を増すべきでなく、智慧を増すべきである。智慧の炎をもって貪愛の煩悩を照破し、遂に貪愛を断尽して解脱を得る。

世尊の教える苦滅の方法は、自心の執着する法を常にその無常性と生滅性を観じ、五蘊の世間が確かに生滅無常なるを証得すれば、次第に五蘊の世間への貪愛を捨離し、遂に貪愛を完全に滅して繋縛を離れ、世間の生死苦より解脱するのである。修行においては念を転じ、心を転じ、煩悩を転じて智慧を生じさせるべきである。智慧の炎が燃え上がれば煩悩は消滅し、智慧なき時は煩悩は生長を続ける。智慧あらば一切あり、智慧なき時は煩悩と苦がある。

——生如法師の開示
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