如来蔵がなければ一切の法は存在しない
仏がここで説かれているのは世界の形成についてで、堅固性を主とし、その堅固性は地界より生じます。地界とは如来蔵に蔵された種子の機能であります。この言葉は三千大千世界ことごとく如来蔵中の種子より変造されたもの、すなわち如来蔵の顕現であることを示しています。一衆生の如来蔵のみでは顕現できず、縁あるすべての衆生の如来蔵が共に顕現するのです。世界はこのようにして如来蔵より次第に形成され現れたのであります。
以上にて、我々の身体内の地界が如何に形成され、宇宙虚空の外地界が如何に成立するかを説き、万法はただ如来蔵の心によって造られたものであり、如来蔵がなければ一切の法は存在しないことを明らかにしました。この教理の深遠さを真に悟る時、世界の真実相を理解し、愚痴無明を断じ、もはや我に執着せず、身外の金銀珠玉や山河大地にも執着しない境地に至るのであります。
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