水界は来る所なく、去る所なし
衆生が胎内に入る初め、受精卵には水が存在しません。如来蔵が受精卵を次第に大きくする過程で、内部に水を含むようになります。その水はどこから来たのでしょうか。衆生が死を迎える時、身体の中の水界は消滅しますが、水はどこへ行くのでしょう。水界は来る所なく去る所なし、これが小乗の説き方です。大乗の立場から見れば、水界はどこから来るのか。如来蔵より来るのです。大乗では一切の万法は如来蔵より生ずると説き、小乗では一切の法は空であり、来る所なく去る所なしと説きます。これが大小二乗の相違なる解釈でございます。
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