根と境が触れ合う時に生じる三つの心行
原文 :かくの如く乃至。意は法処に着して。意の境界と為す。かの意処が愛すべき色を縁とすれば。極めて愛楽を生じ。彼に牽かれ。貪行を引き起こす。愛すべからざる色には。瞋行を生じ。愛すべからず愛せざる色には。痴行を起こす。かくの如く声等においても。三種の攀縁が。領納等の相は。前を準じて説くべきなり。
釈:仏は説きたまう、このように根と境が触れ合う時、三種の心行が生じる。意根と法処が触れ合い、意識が法処の境界を分別する。もし意根が愛すべき色を縁とすれば、意識は大いに愛楽の心行を生じ、色に牽かれて貪愛の心行を起こす。意根が愛すべからざる色を縁とすれば、意識は瞋恚の心行を生じる。意根が愛すべからず愛せざる色を縁とすれば、意識は愚痴の心行を起こす。このように意根が声処を縁とする時も、意識には三種の心行があり、意根が色を縁とする時の心行と同様である。意根が香処・味処・触処を縁とする場合も、意識は皆この如し。
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