父子合集経講話（一一九）

死薀と生薀

原文：大王よ。識はその主となり、業は攀縁となる。二種相因りて、初めの識は生起す。或いは地獄に趣き、或いは傍生に堕ち、琰摩羅界及び阿修羅、人若しくは天に至る。初めの識が生じた後、各々その報いを受け、同分の心品は相続して随転す。最後の識が滅するを死薀と名付け、最初の識が起るを生薀と名付く。

解釈：仏は説かれた。大王よ、阿頼耶識は来世の五薀身を生じさせる主であり、業種は縁となる。この二種の因と縁が和合することにより、来世の最初の識が生じる。そうして衆生は地獄に趣き、あるいは餓鬼道に堕ち、あるいは畜生道という三悪道に生まれ、あるいは阿修羅道・人道・天道という三善道に生まれる。最初の識心が生じた後、衆生はそれぞれの業報を受け始め、同じ色身における識心が連続して運行を続ける。命終に識心が滅する時、色身は死屍となり死薀と称され、色身に最初に生じた識心を初識とし、五薀の色身を生薀と称する。

来世の眼耳鼻舌身意の六識が生起する時、これは今世の六識が業行を造り、種子が滅びないことによる。これにより来世の五薀が業果報を受けることが定まる。五薀身に初識が生じた後、その者は地獄に至り、あるいは畜生道に堕ち、あるいは阿修羅界に生まれ、あるいは再び人として生を受け、あるいは天上界に昇る。我々が造った善悪の業に従って六道を流転するのである。