問:なぜ如来蔵はあまねく包含し、あまねく遍在すると言われるのに、如来蔵は虚空に遍在しないと言われるのでしょうか。
答:その「遍」という文字は場所によって異なる意味を持ちます。虚空に遍在しないとは、虚空を覆い尽くさないという意味で、如来蔵は物質的な色法ではなく、色法のものこそが虚空を遍満することができ、物質でないものは虚空を遍満できません。例えば塵は物質であり形体があるため虚空を遍く満たせますが、如来蔵には形体がなく、虚空に遍在することはできません。
しかし如来はあらゆる法に遍在します。一切の法は如来蔵より生じ保たれるもので、当然ながら一切の法に如来蔵の機能作用が存在します。この「遍」とは形も相もない存在として作用する意味です。虚空もまた一つの法であり、如来蔵はこれにも遍在します。虚空は如来蔵に依って生じ顕現するからです。
ただし虚空のいかなる場所にも如来蔵は存在しません。砂土は虚空に存在でき、空気は虚空に遍在しますが、如来蔵はこれらのように虚空を遍満するものではなく、物質ではない如来蔵がどうして虚空を遍満できましょうか。
4
+1