枯れ木の龍吟、修行がある程度に達し定力が極めて良くなった時、ある日五蘊の色身が確かに枯れた木の如く、ただの空殻であり実質的な機能作用のないものであると悟る。表面上の五蘊の作用は有るように見えるが、実際は操られるロボットの如く、ただ受動的に動いているに過ぎない。人形が糸で操られるように、武劇や曲芸が生じるが、実質的には何の意味もない。あたかも大力鬼が憑依し、身口意の一切の造作が全て大力鬼の所為であるかのようだ。我々はただこの大力鬼を見つけ、この糸を引く者を見出し、ロボットのスイッチボタンを見つければ、無尽蔵の奥義が全て明らかになる。枯れ木に龍が宿る限り、枯れ木は春を迎え芽吹き花咲き実を結ぶ。龍が存在する限り、鉄樹も花開き、全てが万象更新し、欣欣向栄の気に満ち、生気溢れる光景が広がるのである。
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