第六識はいかにして如来蔵の証得と見なされるか（一）

第六識には見分があり、これは第六識の知性・覚性を指します。見分は一切の法を感知し、了知することができます。これらの法には色法と心法が含まれます。第六識の相分とは、第六識が認知できる対象、つまり第六識の覚知によって観察され得る一切の法を指します。第六識が知覚する対象には、六塵（色・声・香・味・触・法）と七識の心法及び心所法が含まれます。さらに第六識は、如来蔵および心所法をも覚知することが可能ですが、これは第六識が如来蔵を発見し証得した後に限られます。如来蔵を証得するとは、即ち明心して悟りを開くことを意味します。

第六識が般若智慧を有する時、如来蔵を証知し、覚悟し、発見し、証得し、観察することが可能となります。この場合、如来蔵は第六識の相分となり得ます。しかし如来蔵そのものには形や相がなく、色彩も存在しないため、眼識・耳識・鼻識で感知することはできず、第六識のみがその運行の様相を覚知し、その法相において如来蔵を証得するのです。

如来蔵の運行法相もまた無形無相ではありますが、第六識はこれを覚知し、領解することが可能です。第六識が如来蔵及びその働きを感知するには多くの前提条件が必要であり、これらの条件が整わなければ感知することはできません。菩薩が条件を具足した後、第六識は如何にして如来蔵の働きを覚知するのでしょうか。如何なる状態をもって如来蔵を証得したと見做すのでしょうか。

如来蔵の証得と発見は、眼識による色彩の認知や耳識による音声の知覚では達成されません。如来蔵には色彩も形相も音声も存在しないからです。しかし如来蔵には運行の法則が存在し、無始劫より絶え間なく作用し続けています。このため、その無形無相の法相も意識心によって了別され得るのです。即ち如来蔵には運行の行相と法相が具わっていると言えます。