衆生無辺誓い度す
煩悩無尽誓い断つ
法門無量誓い学ぶ
仏道無上誓い成す

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日常開示

2018年06月09日    土曜日     第4 回の開示 合計614回の開示

物質色法の質礙性は意根の堅固な妄想による

一切の物質色法は、四大の微粒子によって構成されています。衆生の堅固な妄想心によって、全ての物質色法は質礙があると見做され、互いに融通し難く超越できないと考えられています。しかし実際は全く異なり、これは無量劫以前から現在に至るまで続く錯覚に過ぎず、いつまでこの錯覚が続くのか分かりません。物質色法の真実の状態とは、億万倍の顕微鏡で照射した際に現れるように、原子核よりもはるかに微小な量子状態の生滅変異する粒子が無秩序に動転している状態であり、一切の阻礙作用は存在せず、隙間のない壁や鉄板のようなものではありません。

物質が全て粒子状態であるならば、粒子と粒子の間に阻礙性は存在せず、互いに浸透し合うことが可能です。人体表面の皮膚だけでなく、内部の骨格・筋肉・内臓・腱・爪・髪・血液、各細胞の全てが粒子状態であり、肉眼では認識できず天眼によってのみ観察可能です。最も微小な粒子は科学者の億万倍顕微鏡でも観測できず、これが四大種子が最初に形成する最小の微粒子です。

色法の究竟たる状態は肉眼に見えない粒子そのものであり、身体も山河大地・壁・宇宙器界も全て粒子状態を呈しています。従って身体は山河大地・壁・宇宙器界を貫通でき、何らの妨礙も障害も生じません。神通力を得た者が壁を透過し海水を越え須弥山を貫通できるのは、色身も壁も粒子で構成されているため、あたかも存在しないが如く通過できるからです。

真実の修行によって深い禅定に至ると、意根が身体を実在する物質的阻礙と見做さなくなるか、あるいは身体を忘却する時、神足通が現前します。現在我々の意根は堅固な妄想によって一切法を実在する密着したものと認識し、色身に阻礙を生じさせ壁や宇宙星空に障害を感じさせています。この思想的観念を打破する時、一切の色法は阻礙作用を失うのです。

修行の本質は禅定において意根の認知習慣を転換し、意根の智慧を向上させ思想的観念を開放することにあります。これによって衆生は解脱を得、色身もまた解脱するのです。

——生如法師の開示
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