如来蔵の証自証分（四）

六つ目に、衆生が臨終を迎える際、多くの者は自分が死ぬことを知らず、いつ死ぬかも分かりません。しかし如来蔵が業種を了別すると、衆生がいつ死すべきかを知ります。死の直前、如来蔵は業種に基づき、命の残り時間や現在の身体状況、次の瞬間の身体の状態をすべて把握しています。故に如来蔵は衆生の死に際し、警覚の信号を発して衆生に知らせます。

実際には意根に了別させるのであり、意図的に意根に了別させるのではありません。如来蔵は常に無意識に、無心のままに作用します。意根が如来蔵の作用から現れる法を了別すると、近い将来に起こるべきこと、一年二年あるいは更に長い年月後に起こることを知ります。意根がこれを知ると、意識を警覚させる方法を考え、意識に知らせます。これは能動的で意図的な思心所の作用ですが、如来蔵にはこのような心行はありません。これが如来蔵の作用と七識の作用の違いであり、如来蔵にも独自の心行は存在しますが。

衆生の第六識は業種を了別できず、後知後覚であって先見の明がありません。故に第六識は自身の死を必ずしも感知できず、如来蔵と意根の警覚暗示を必要とします。暗示を受けても第六識が気付くとは限りませんが、第六識が敏感であれば、自らの命が尽きようとしていること、この生涯が終わろうとしていることを感じ取れるかもしれません。

如来蔵は刹那に色身を変容させ、色身の様々な状態を顕現できます。意根は色身の状況を了別し、身体の状態が何を意味するかを知ります。ただ第六識はこれを明確に理解できず、如来蔵が死の兆候をすべて顕現する時を待って初めて完全に了知し、疑いがなくなります。如来蔵の業種に対する了知と衆生の死に対する了知は確信に満ちており、故に衆生を警覚させ、自らの死を知らしめ、心の準備をさせるのです。この確信こそが如来蔵の証自証分です。

以上の分析と整理から、如来蔵には見分と相分だけでなく自証分と証自証分も備わっており、この四分はすべて重要で功徳が広大であることを知るべきです。如来蔵はこの四分に依って三界世間の万法を成就し、衆生の因縁果報を理のままに実現し、衆生の所業を無駄にしません。この四分はほぼ如来蔵の有為法における作用に現れていますが、これほどの有為法の作用があっても、如来蔵は初めから終わりまで無為の心行を保ち、いかなる法にも貪着せず、執着することなく、衆生に対し広大な心量を現す大人相を示されます。私たちの七識心は真に如来蔵に学び、比類なき自在を獲得すべきです。