衆生無辺誓い度す
煩悩無尽誓い断つ
法門無量誓い学ぶ
仏道無上誓い成す

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日常開示

2018年05月07日    月曜日     第1 回の開示 合計447回の開示

衆生は何を貪愛しているのか

海外で開発されたカップがあり、特定の周波数の電磁波で口と舌を刺激すると、実際に水がないにもかかわらず水を飲んだ錯覚を生じさせます。電磁波による刺激を受けた後、人は喉の渇きを感じなくなります。

実際の原理は、電磁波が浮塵根の口腔に伝わり、浮塵根の舌に到達し、神経系を経由して後頭部の勝義根に伝達されることで水の影像を形成します。舌根と接触し、身識・舌識・意識が生起し、識心が水の影像に触れ、受想を経て思惟が決定し、水を飲むという受覚が生じます。こうして満足感を得て渇きが癒されるのです。飲食を含む一切の法が如何に虚妄であり、自欺的であるかを思う時、衆生がこれに貪愛する様はなんと愚痴に満ちた憐れむべき姿でしょう。

衆生は実際に自らを欺き、虚妄の感覚世界に生きています。暗闇で豚肉を人の肌と思わせて撫でれば特別な感覚を生じ貪愛が起こりますが、豚肉と認識すれば嫌悪を覚えます。一切の法はただ自心の覚受に過ぎず、人は常に自らの覚受に欺かれ、各種の覚受に囚われています。衆生の存在を思えば思うほど、その憐れむべき姿が痛切に感じられます。

人は無始劫より、四大の微粒子の集合体と共に飲食し楽しんできました。衣食住に用いる一切は四大の微粒子の集合に過ぎません。如来蔵は無数の四大微粒子で様々な玩具を形成し、衆生は子供のままごと遊びのように、これらの玩具に没頭して離れようとしません。

最新の携帯電話機能では、画面から手に電磁波を伝え、実際に物体に触れた感覚を生じさせます。

人の神経伝達系は光ファイバーの如く、内部を電気信号が駆け巡っています。異なる周波数の電磁波刺激を与えれば、人は全てを満足できるのです。

貪愛が生じた時、その対象が単なる電磁波=四大微粒子に過ぎないと自覚すべきです。衆生は自らと如来蔵に欺かれ無量劫を過ごしながら、その事実に気付かぬ憐れむべき存在です。

私の手にあるものは表面的には携帯電話ですが、実体は粒子の集合体が後頭部に形成した虚妄の影像です。身識と意識の所謂感覚とは、連続する識種子の水流のような運行で生じる幻影です。識種子が断たれ識心が消滅すれば、感覚作用の主体は消滅します。ではその感覚とは何物でしょうか。貴方自身なのでしょうか。

言葉と行為は別物です。説くのは意識、行うのは意根、これが別心である故に結果が生じます。禅定の修養なくしては何事も成就できず、空論に終始します。これらの理論も禅定による実証を伴わねば真実相を認識できず、心を清浄自在に転じることは叶いません。

——生如法師の開示
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