如来蔵による胎生と根身器界の執持（一）

一切衆生の胚胎と根身器界には、如来蔵が執持しているため、存在し作用することができます。如来蔵はこれらの法が現れ作用する根本因であり、それらは相応する縁によって胚胎と根身器界を生じさせ、その後これらの法を継続的に運行させ作用させます。

例えば雌鶏が卵を産む場合、表面的には卵が雌鶏によって生じたように見えますが、実際には如来蔵が幻化し出生させたものです。そして因縁が成熟すると、卵が雛に孵化します。表面的には雌鶏が卵を産む能力があるように見えますが、その内部には如来蔵の働きがあります。雌鶏に如来蔵がなければ、卵を産むことができず、雌鶏自体も存在し得ません。これらには多くの如来蔵法の奥義が含まれており、私たちが証得し明らかにすべきものです。

例えば衆生が両性和合する際、精子と卵子のそれぞれに如来蔵が執持しています。一衆生の如来蔵が精子を執持し、他衆生の如来蔵が卵子を執持しています。両衆生の如来蔵によって精子と卵子が結合します。その後、入胎すべき衆生の如来蔵がこの和合物を執持して受精卵となり、胚胎が形成されます。如来蔵は引き続き胚胎を執持創造し、四大種子を絶えず送り出して胚胎を漸次成長させ、最終的に胚胎が円満すると衆生の生命体が出生します。

如来蔵が執持しなければ、受胎という現象は発生せず、胚胎も形成されません。如来蔵が精子を執持せず、卵子を執持しなければ、精子と卵子は生命力を持たず、結合しても受精卵とならず、胚胎も出生しません。これらには全て如来蔵の働きがあり、それによって相応する生命の作用が生じます。如来蔵がなければ、それら二つは生命力を持たず、衆生を出生させず、生命体の形成も出現もありません。人工授精の場合でも、精子と卵子は両衆生の如来蔵がそれぞれ執持し、和合した後、投生すべき衆生の如来蔵がこの和合物に入り込むことで胚胎となります。

精子と卵子が衆生の身体を離れていても、如来蔵が執持しています。身体を離れて時間が経過すると、如来蔵は直接執持しなくなり、精子と卵子は作用を失い生命力を喪失します。精子と卵子が身体を離れて一定期間内であれば、それぞれの如来蔵が執持しているため、和合すれば胚胎が形成されます。しかし身体を離れて時間が経過すると、如来蔵は直接執持せず、何の作用も生じず生命を発生させません。