如来蔵による胚胎と根身器界の執持（二）

例えば我々の手が切断された直後、如来蔵は依然としてこれを保持しています。直ちに接続すれば再び機能を回復し、元通りに作用します。体内の臓器が分離した直後も、如来蔵は一定期間直接的にこれを保持し続けます。この期間内に手術で接続すれば、元の部位として機能を回復します。しかし時間が経過すると、如来蔵は分離した器官を直接保持しなくなり、再接続は不可能となります。これは一切の法が如来蔵の作用によることを示しています。

移植手術において、臓器が他人の身体に移されると、元の如来蔵は一時的に保持しますが、やがて他人の如来蔵が単独でこれを保持するようになります。長時間経過した臓器は如来蔵の保持を失い、元の身体に再接続しても機能せず、他者への移植でも生命力を発揮しません。

血管が破裂して出血した際、流れ出た血液が最初温かいのは如来蔵の保持作用によるものです。時間の経過と共に如来蔵の直接作用が失われ、血液は冷たくなります。指先や皮膚などの身体組織が分離直後に温かいのも同様の理によるものです。

身体の柔軟性も如来蔵の直接的な保持作用によるものです。死者の身体が硬直するのは、如来蔵が保持を止め、縁を切ったためです。如来蔵が存在する限り、衆生の身体には寿命（寿）・温度（暖）・識（七つの識）が具わり、温かく柔らかい状態を保ちます。如来蔵を失えば、寿命・温度・識を失い、冷たく硬い状態となるのです。