繁中日語

日常開示

2018年04月17日火曜日第5 回の開示 合計370回の開示

一切賢聖は無為法によりて差別あり

問：『金剛経』における「一切の賢聖は皆無為法を以って差別有り」との御文を如何に理解すべきでしょうか。

答：阿羅漢と辟支仏の無為は五陰の身を滅し、五陰の身の一切の活動を滅することを指します。彼らは衆生を利楽する事業を起こさず、仏道修学を継続する意欲もありません。在世の間は多く入定にあり、世俗の事に拘わらず、境界に心を着けません。これに対し、菩薩の無為は無為の心たる第八識を証得し、この無為性の第八識に依って有為の仏法修学と衆生利楽事業を起こします。有為の福徳を積むと共に有為性を極力減じ、最終的には無為の心性をもって有為の仏教事業を行い、三界に混じりながら三界法に着きません。このような無為の境地は、阿羅漢や辟支仏の及ぶところではございません。これが「一切の賢聖は皆無為法を以って差別有り」の真意でございます。その心行の相違は、一方が自己の解脱と苦悩からの離脱を求めるのに対し、他方は自己と衆生の解脱と苦悩からの離脱を求め、自己と衆生共に仏道を成じさせることにございます。

——生如法師の開示

真如の念と無念

心性は果位と相応すべき