如来蔵が衆生の根身・器界と業種を了別するには、如来蔵の見分をもって了別し、如来蔵の心所法をもって了別します。如来蔵の五つの遍行心所法、すなわち作意・触・受・想・思において、作意は心を根身・器界と業種に向けさせ、触は如来蔵が根身・器界・業種と接触し、受は根身・器界・業種を領納し、想は根身・器界・業種を了別して知り、思は造作を決定します。これにより七大種子あるいは四大種子を出力し、五陰十八界と宇宙器世間の造作が始まり、万法が現れます。この変造の過程において、如来蔵は絶えず作意し、触れ、受け、想い、思うことを繰り返し、変造が完遂されるまで継続します。
その過程は刹那刹那に変造され、結果としては一切の法が頓現する場合もあれば、漸現する場合もあり、業種によって異なります。宇宙器世間の形成は畢竟単純な事柄ではなく、無量の衆生の共業種子が関わる非常に大規模な工程です。造作が始まると極めて複雑を極め、全ての共業衆生の如来蔵が共同で協力し、一大劫の四分の一である二十小劫の時間を要して、初めて宇宙器世間が形成されます。一方で個々の衆生の色身形成と業種の実現に要する時間は、宇宙器世間の形成に比べれば極めて短いものです。
これは畢竟単一の衆生の業種のみが関わり、衆生自身の如来蔵が単独で変造するため、相対的に複雑さが少ないからですが、それでも私たちの意識心では想像も及ばず、種智を有しない故です。また各類の衆生の業種が異なるため、完全な衆生色身の形成にかかる時間も異なり、これには衆生の色身の大小や出生形式、つまり業種の問題も関わってきます。湿生・卵生・化生・胎生によって色身形成の時間は異なり、同じ胎生の衆生でも形成時間は異なります。同じ人間でも三年で出生する者、十月で出生する者、さらに短期間で出生する者があるのは、全て業種の相違によるものです。
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