観行および証得による無我性の覚受の重要性

すべての衆生は、感覚を受けることを真実のものと見なし、自我と見なし、自己の所有と見なしています。そして感覚を追求し、感覚に従順に従い、自身の感覚のためにあらゆる業行を造り、特に悪業を造ります。

生死の苦しみを解脱するためには、感覚の虚妄性・不実性・幻化性・空性・非我性を観じなければなりません。こうして感覚が確かに空幻で不実であることを証得すれば、もはや感覚を重視せず、追求しなくなります。これにより一に我見を断じ、二に心が次第に清浄となり、貪瞋痴の煩悩が薄らいでいきます。感覚を追求しなければ、貪瞋痴の無明悪業を造らなくなるのです。

感覚が如何にして空であり幻化であるのか。感覚はどこから来るのか。感覚は主に六識の感受です。実はその後ろにある意根の感受も極めて重要です。意根に感受がなければ、六識に染汚業を造らせず、解脱を求め仏法を精進修学することもありません。六識の感受は一方で意根から生じ、意根の影響と指揮を受けます。他方、六識自らが六塵境界を了別する際、境界の影響を受け、境界に貪愛と厭離を生じ、受心所法が現れると苦楽の感受が生じます。

六識の感受は如何にして現れるのか。如来蔵が識種子を出力して六識を形成し、六識が生成されると運行を開始します。五遍行心所法と五別境心所法が現れ、六塵を分別し執取し、境界に感受を生じます。その後この感受を真実と見なし自我と見なし、順うものには貪り、逆らうものには瞋り、貪瞋痴の無明業を造り、生死輪廻の果報が絶えません。そこで感受を空と観じれば貪瞋心を降伏させることができ、これは極めて重要なことです。五陰無我を証得し、感受もまた我ならざることを悟る、これが最も重要なのです。