大念処経における外心と内心

大念処経において仏が五蓋について説かれた際、内なる貪欲と外なる貪欲、内なる瞋恚と外なる瞋恚、内なる睡眠と外なる睡眠、内なる掉悔と外なる掉悔、内なる疑惑と外なる疑惑があると述べられました。内と外はそれぞれ何を指すのでしょうか。

心が内と外に分けられる場合、外心とは衆生が普遍的発見・観察可能な心意識を指し、内心とは衆生が発見・観察し難い心意根を指します。二つの識心は一が顕れ一が隠れ、一が明らかで一が暗く、一が浅く一が深く、一は容易に変化し、一は堅固で改め難い。修行とはまず浅層の意識に着手し、次に深層の意根に至り、先ず意識を初歩的に転換し、最終的に意根を究竟的に転換することです。故に一切の煩悩無明は、最初で顕著なものは意識層面にあり、最終的で隠微深奥なものは意根層面にあるのです。

この経典から、仏が小乗の教えを説かれた際、意根の法を明言されなかったものの、依然として密かに意根に言及され、一切の煩悩無明は意根に属し、煩悩を断つとは意根の煩悩を断ち、解脱とは意根の解脱であり、一切法は意根に帰着し、意根の問題を解決すれば一切法を解決し、最終的に涅槃と解脱を究竟的に達成できることを暗示されていたことが窺えます。