人の心が平らかでないのは、是非や争いが絶えないからである。なぜ平らかでないのか。心の中に四相があり、相には善し悪しや凹凸があり、心の中に存在するため、心が平らかでないのである。心は本来平らかなものであり、平らかでないのは相を見る心である。如何にして心を平らかにするか。相を平らかにすることである。如何にして平らかにするか。相を平等一如と観じ、相の実質と本質を見極めることである。相の実質と本質とは何か。七大種子の組み合わせに過ぎず、如来蔵が造り出したものに過ぎない。真実の相など存在せず、ただ我々が見ているだけではないか。目に翳があれば、高低・上下・美醜を見る。病める目は空中の花を見、病が去れば空花も消える。修行とは病を除いて実相を見ること、これ以外に何があろうか。これを人を励ますとともに、自らをも励ます所以である。
3
+1