一切法即第八識の機能

神通とは意根の神であり、意識を通じさせるものである。最も神妙なるは第八識なり。意根もまた第八識の功用、意識も第八識の功用、五識も第八識の功用、五陰十八界も第八識の功用、一切の法は実質的に皆第八識の功用に他ならず。第八識以外に一つの法も存在せず、第八識自らが縁に依って一切の法を運用する。その縁もまた第八識の功用なり。十方世界の仏国土、十方諸仏菩薩もまた第八識の功用なり。全体は第八識の真実の法界にて、二つ無く他無し。第八識以外に微塵ほどの真実性と自主性を持つ法を見出すこと能わず。

黄金の世界は全て黄金より成り、毫末の法も黄金ならざるは無し。仏法もまた斯くの如し。実に妙極まりなし。

我々の一瞬の心念、善きも悪しきも、不善不悪なるも、皆第八識の功用なり。七識の全ての心所法、作意・触・受・想・思、全ては第八識の功用。我々の身口意の行いも全て第八識の功用なり。仏法を修学し貪瞋痴を滅ぼさんと努むることもまた第八識の功用。無明より生ずる一切の煩悩染汚さえも、同じく第八識の功用なり。毫末の法も第八識の功用ならざるは無く、第八識以外より来たる法は無し。心外に法無く、見渡す限り全て第八識なり。

意根がもし現量にこの法を証得せば、貪瞋痴の煩悩は次第に脱落し、無明は漸く断尽せん。これらの法は定中の観行において初めて証得され、心が定中にあってこそ第八識と相応す。心中に現起する法が全て第八識の功用なることを深く感知し、法の中に心を住まわせ、煩悩を破り無明を断尽す。大いなる利用有り、成仏余裕有り、大自在を得ん。