いかにして心を清静にするか

意根が六塵に対し作意した後、六塵に触れなければ、後の心の行いも現れず、六識も生じず、六根は六塵に対し無心となる。意根が六塵に作意し触れた後、領納せず、受け入れず、後の心の行いも生じず、六識は生じず、六根は六塵に対し無心となり、心は清浄となる。意根が六塵に作意し触れ受け入れても、想わず執取せず、後の心の行いも生じず、六識は生じず、六根は六塵に対し無心となり、心は清浄となる。もし意根が六塵を執取した後、思心所は必ず現行し、抉択は必ず現れ、六識を生じるか六塵に向かうか、あるいは六塵を避け、喜び嫌う心の行いは必ず現れ、心は清浄ならず。

もし六識が煩悩を押し伏せ、六塵に対し喜ばず嫌わず、これも無心となり、心は清浄となる。六識が六塵に対し作意し触れても、受け入れず、想わず、思わず、決定して造作せず、心は清浄を得る。六識が六塵に対し作意し触れ受けても、想わず執取せず、心は清浄となる。これが境界において心を修め、煩悩を降伏させ断除する所以である。

六識が六塵に対し作意し触れ受け想う後、自らの心思を押し伏せ、自ら思わず造作せざるを制すれば、業行を造作することを避けられるが、心は既に清浄ならず。

この時の押し伏せは、意根を押し伏せて六識に業行を造作せしめぬ決定をさせず、もし意根が降伏せず、六識が業行を造作したくなくとも、意根の指揮に従わざるを得ず、必然的に業を造る。但し時として、六識が造作を決定せず、意根は随順し、心は休息し、身口意の行いを一切造作せず。