衆生無辺誓い度す
煩悩無尽誓い断つ
法門無量誓い学ぶ
仏道無上誓い成す

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日常開示

2018年02月16日    金曜日     第1 回の開示 合計54回の開示

記憶の機能と原理

記憶とは、記別と憶念のことであり、これは意識心の機能的作用であります。現在発生する一切の事象、身口意のすべての造作には、意識心の参与と作用が伴います。意識が了別し造作した内容は、随時意根に引き渡されます。意根が了別した後、これらは種子として第八識の心体に落謝され、第八識はこれらの内容を種子として貯蔵します。その後、意根が縁を攀じて了別しようとする際、第八識は意根の思心所を了知し、意根に随順して協力し、以前に貯蔵した種子を送出します。これにより法塵が形成されます。意根が法塵に触れた後、その了別慧が低劣であるため具体的な内容を了別できず、思心所を生起させてこの法塵を了別することを決定します。すると第八識は協力して意識を出生させ、この法塵を了別させます。このように意識はどのような法塵であるかを了別し、つまり意識が過去の事柄を想起するに至ります。これが記と憶の過程であります。

発生した事象が不完全である場合、あるいは意根が注意を払わず、意識の了別と造作が軽微である時、業行も軽微となり、第八識に貯蔵される業種も軽微となります。第八識が種子を送出して形成する法塵は明瞭ではなく、意識の了別も不完全で不明確となり、俗に「記憶が定着しない」と言われます。例えば、文章を完全に暗誦できなかった場合、この業行も種子として貯蔵され、第八識が再送出する際、意識は完全に了別できず、文章を完全に暗誦することができなくなります。

また例えば、意根がある人物にあまり関心を持たず、その人物に対する作意が少ない場合、思心所に相当の決定性がなく、意識がその人物を理解認識するのも不完全で印象が薄くなります。この事柄も種子として貯蔵され、種子の縁が熟して再びその人物に遭遇した時、第八識が過去の業種を送出しても、意識はその人物を明瞭に了別できず、印象が曖昧で不鮮明となります。

第八識が業種を送出して法塵を形成する際、勝義根に問題や障害(小脳の萎縮等)がある場合、第八識が送出する影像と業種が完全に一致せず、現れる法塵は真実の相を離れます。この時、意識心は正確無謬に了別できず、顛倒した了別となるか、あるいは全く了別不能となり、これが記憶喪失症であります。

勝義根が損壊されたり、脳が刺激を受けたり、栄養不足に陥ったりすると、様々な程度の記憶障害を引き起こします。故に学生は試験前に栄養を補給する必要があり、これは勝義根中の四大物質成分を調和させ、第八識が正常に内相分の影像を顕現させ、意識がこれらの影像を正常に了別できるようにするためであります。これにより試験本番で思考が明晰となり、能力を発揮し、良い成績を得ることができます。

勝義根に問題がある場合、第八識が顕現する影像は混乱した情報となり得ます。この時意識の了別は混乱し、顛倒した了別や誤った了別が生じ、周囲はこの人物を精神異常と見做すかもしれません。しかし当人自身は全く正常であると感じ、自身が異常であるとは微塵も考えないのであります。

——生如法師の開示
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