意根の機能と作用を如実に理解する方法

なぜ第七識である意根は何もできないと考える人がいるのでしょうか。多くの人々は表面的な意識の機能作用しか認識できず、意根の機能作用を見落としているため、五陰のすべての機能作用を意識のものと誤解し、意根が主導する識としての役割を軽視し否定してしまうからです。彼らは意根が一切法の先導者であり、一切法が現れ、意識が接触・了別・処理できるのは全て意根の選択の結果であることを理解していません。意根は五陰身の家長なのです。

もし何もできない無能な存在が主導権を握ったら、その組織がどうなるかは想像に難くありません。しかし世の中には大いなる福徳と智慧を備えた人々が数多く存在し、五陰身が多くの善業と智慧の業を成し遂げるのは、全て意根が主導した結果です。畜生道の衆生でさえ、その意根の機能作用は非常に優れており、六識とは比べものになりません。考えてみてください。大小様々な組織において、成員が指導者の指示に従うのはなぜでしょうか。権力以外に理由がないのでしょうか。もし指導者が無能で何の価値もないのに成員が唯々諾々と従うなら、その成員はさらに無能だと言えるのではないでしょうか。

国家元首が部下のように具体的な業務や技能に精通することは不可能です。秘書の仕事まで引き受けることもできません。彼は高所に立って全体を統括する存在であり、具体的な業務に携わることはないのです。元首が直接民衆に対応せず、具体的な仕事をせず、技術に精通していないからといって、彼に仕事がないわけではありません。指導者として全体を掌握し、計画を総合的に調整する役割を担っており、六識の仕事とは分業が異なり、それぞれが責任を負い協調して初めて国家を円滑に運営できるのです。五陰身も同様に、意根は高所に立ち全体を統率します。意識のように細部にわたって塵境を了別し、思考・推理・整理・帰納・統計・分析・推敲を緻密に行うことはできません。その精力が許さないからです。禅定がある程度達成されエネルギーが増大し、精力が充実して初めて、六識に代わり六識を超越することができます。凡夫の意根は六識を用いて具体的な事柄に対処し、具体的な塵境に対応するほかなく、そうでなければ六識の存在意義も失われてしまうのです。