原文 :問。何の因縁によって、無明などの諸の有支がこのような次第で説かれるのか。答。すべての愚痴なる者は、まず第一に知るべき事柄について愚かである。次にその事柄について邪なる行いを起こす。邪行によるが故に、心を顛倒せしめる。心が顛倒するが故に、結生が相続する。生が相続するが故に、諸根が円満する。根が円満するが故に、二種の受用境がある。
釈:問う、どのような因縁によって十二因縁の各支がこのような順序で説かれるのか。答えて曰く、すべての愚者はまず知るべき事柄を理解せず、次にその無知に基づいて邪悪な行為を起こす。邪行によって心が乱れ、心が乱れる故に煩悩の縛りによって生命が継続し、六根が具わり、五蘊の正報と環境の依報を受ける。
原文 :境を受用するが故に、耽着したり希求したりする。希求するが故に、求め求める過程で煩悩が増長する。煩悩が増長するが故に、後の有における愛憎の業を起こす。起こした業の力によって五趣生死において苦果が生じ、老死等の苦が現れる。内身の変化による老死苦、境界の変化による憂嘆苦、熱悩苦である。故に世尊はこの次第で十二支を説かれた。
釈:受用に執着し更に希求する故、煩悩が増大し来世の業を形成する。この業力により五道輪廻で苦果が生じ、身心の衰変と環境の変化に伴う諸苦が生起する。これが十二支縁起の理である。
原文 :更に次第の差別あり。二種の縁に依って縁起の次第を建立す。一は内身縁、二は受用境縁。前六支は内身縁を摂し、後六支は受用境縁を摂す。まず内身に我執等の愚を起こし、業が引く苦果の異熟を悟らぬ故に諸業を起こす。
釈:縁起の次第は内身(五蘊)と外境(環境)の二縁に基づく。無明・行・識・名色・六処・触の前六支が内身を形成し、受・愛・取・有・生・老死の後六支が境縁を受ける過程を示す。我執に基づく無明が業を生じ、これが苦果を招来する理を説く。
原文 :業を起こした後、その業に随って尋思を起こす。業と識が相伴う故、将来の三種苦果を感ずる。根初起の苦果、根円満の苦果、受用境の苦果である。即ち名色を初めとし、触を終わりとする。
釈:業が識とともに未来の胎生時の苦(名色)、出生後の苦(六処)、境縁受用の苦(触)を招く。これが縁起の三苦相である。
回向文:当ネットプラットフォームにおけるすべての法施と共修の功徳を、法界のすべての衆生に回向いたします。世界の平和と戦争の消滅を祈願し、すべての災難が消退するよう希求します。各国人民が慈心をもって相助け、風雨順時で国家安泰ならんことを。一切衆生が因果を信じ、殺生を戒め、善縁を結び、仏法を学んで涅槃への道を開かんことを。三界の火宅を極楽の蓮邦となすべく、正法が永く住するよう祈念いたします。
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