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日常開示

2022年07月20日    水曜日     第1 回の開示 合計3658回の開示

識陰をいかに正しく認識するか(二)

『持世経』原文:智者は正しく観察し、選択し、通達する。陰ならざるを識陰とす。凡夫は識陰ならざるに識陰の相を生じ、覚観をもって分別し憶想す。顛倒に相応し、虚妄に縛られたるを、強いて識陰と名づく。識陰に貪着し、識を依止所とす。識を依止し種々の示現を思惟するが故に、識陰を生起す。是の人は種々に分別し、内識に貪着し、外識に貪着し、内外識に貪着し、遠識に貪着し、近識に貪着す。識相を以ての故に、分別して識陰を起こす。

釈:智者は正しく観察・選択・通達すべきなり。所謂る識陰は本来陰入の自性相なく、識陰無きに仮に識陰と名づく。然るに凡夫は本来識陰ならざる法に識陰の相を生じ、己が覚観・憶想・分別をもって、顛倒心と相応し、虚妄相に縛られたるを強いて識陰と名づく。凡夫は虚妄相を貪着して識陰と為し、虚妄の識別性に依止し、識陰に依止し、種々に識陰の思惟機能を示現し、識陰相を生起す。

凡夫は種々に分別し、身内の塵を識別する内識に貪着し、身外の塵を識別する外識に貪着し、内外識に貪着し、過去未来の遠き識に貪着し、現在眼前の近き識に貪着す。虚妄に識心の相を了別し、虚妄の識心相を了別するを以て、これらの虚妄の相を執って識陰と為す。

原文:是の人は憶想分別を以て、若し心若し意若し識、仮借して強いて是れ心、是れ意、是れ識と名づく。かくの如く種々の心相の生ずるを知る。是れ凡夫の識陰に貪着し、識陰に縛らるるが故に、心意識の合する故に、種々の識陰を起こす。虚妄の事を分別するが故に、一相を以ての故に、決定相を以ての故に、能く是の心是の意是の識を得、能く分別愛着す。

釈:凡夫は憶想分別を依りどころとし、是れ心、是れ意、是れ識と説き、識心の相を仮借し、強いて心・意・識と名づく。かく分別して後、心中に識心の種々の相を生ず。凡夫は識陰に貪着するが故に、識陰に縛られ、心・意・識の和合するにより、識陰を顕現す。ここに於て心中に識陰の相を生起す。識陰が虚妄に種々の事相を分別するが故に、虚妄に識陰の和合相を見るが故に、心中に識陰の相有りと決定するが故に、凡夫は是れ心・是れ意・是れ識と執り、分別し貪着す。

原文:是の人は識陰を依止し、深く識を貪うが故に、また過去の識陰を得て貪着し念い有り。また未来の識陰を得て貪着し念い有り。また現在の識陰を得て貪着し念い有り。諸凡夫は見聞覚知の法中に於て、識陰を得たりと計り貪着し念い有り。是の人は見聞覚知の法に貪着し、識陰に縛らる。其の知る所を貴び、心意識の合して繋がるが故に、馳走往来す。所謂る此の世より彼の世に至り、彼の世より此の世に至るは、皆識陰に縛らるるが故に、能く如实に識陰を知ることあたわず。

釈:凡夫は識陰を依止し、深く識陰に貪着するが故に、過去の識陰をも執り、貪着して実有とし、未来の識陰をも執り、貪着して実存を認め、現在の識陰にも執着す。

識陰を実有法と貪着計するが故に、諸凡夫は一切の見聞覚知の法中に、識陰の功能作用と計着す。識陰を有りと貪着計するが故に、凡夫は見聞覚知の法に貪着し、識陰に縛られ、能知能覚の法を宝愛す。心・意・識の三者が和合し共に其の心を繋縛するが故に、凡夫は六道に於て絶えず生死輪廻し、生まれ死に、死に生まれ、此の世から後世へ、前世から此の世へと、皆識陰に繋縛されたるが故に、能く如实に識陰を了知し看破すること能わず。

——生如法師の開示
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