知解は証に非ず

常楽我浄は涅槃の四徳である。常とは、仏陀の無垢識に種子の変異がなく、永遠に恒常不変を保つことを指す。楽とは、仏陀の一切の業障が永く尽きて残余なく、無垢識に苦受の種子が存在せず、残る全ては楽受と不苦不楽受の善業種子であり、その果報は寂滅楽である。我とは、仏陀の無垢識において一切の生滅業種が滅し、業障の累がなく、完全なる我性を具え、これを我と称するに足ることを指す。浄とは、仏陀の無垢識が一切の染汚種子を滅尽し、徹底的に清浄無垢となったことを指す。

第八識もまた業障の遮障を受ける。心体に業障の種子が残存しなければ、第八識は尽きることなき功徳を発揮し、大千世界を照らす。まさに仏陀の無垢識と寸分違わず、遍くならざる法なく、周らざる法なく、現れざる法はない。しかし衆生の第八識は業障の制約を受けるため、極めて多くの殊勝微妙な境界を顕現できず、衆生の分身を化現できず、仏国土を創造できず、一切の境を遍く縁とすることができない。第八識が制限を受けるとは、その無量無辺の功徳作用が発揮されないことを指すのであって、殊勝な功徳作用が存在しないのではない。仏地に至れば、第八識はもはや制限を受けず、一切の功徳作用を悉く発揮する。

以上の道理を理解し認識しているか。人に解説できるか。法の学習において、全ての理解と認識は意識心に落ちており、意根の心中に落ちていない。理解と認識はあっても、証得までには十万八千里の隔たりがあり、それをはるかに超える距離がある。たとえ人に解説し百冊の書を著すとも、証得からは十万八千里離れている。五蘊無我について全て理解し認識できたとしても、認識が深く透徹していようとも、それは証得ではなく、証得からは極めて遠い距離があるかもしれない。第八識について如何に理解し認識しようとも、認識が深く、第八識の功用を推測し考察できたとしても、これも理解の域を出ず、証得ではなく、証得からは極めて遠く隔たっているかもしれない。

多くの人がこのような理解を証得と錯覚し、弁舌の優れた者は善知識を名乗り至る所で経典を講じ説法し、立て板に水の如く語る。しかし如何なる場合でも、耳から入り口から出る法は証得ではない。例えば蘇東坡の仏法理解「八風吹き動かさず、端座して紫金蓮」に対し、禅師は「屁だ」と評した。蘇東坡はこれを不満に思い、直ちに禅師を訪ね抗議した。禅師は言う「八風吹き動かさずと詠んだのに、どうして一屁の字で怒って来られたのか」と。

故に理解は役に立たず、証得こそが真に有用である。自ら明心見性したと称する者が、境界に遭遇するや転倒し、意識で自己を説得して一時的に収まるが、再び境界が訪れるとまた転倒する。このような状態が多年続いて自主性を得られない者が、果たして真に証果明心したと言えようか。最も粗大な煩悩さえ降伏できず、美しい異性に無関心でいられず、心乱れて自制できない者が、明心証果の者と言えるだろうか。意識で絶えず自己を抑圧説得する者は、全て証得していない。真に証得すれば、証得した所まで実践できる。

多くの者が鯉の滝登りを成し遂げたと称するが、彼らは龍門の敷居を極めて低く設定し、あるいは敷居を取り払い、容易に通過したとしている。実際には泳ぎ渡ったのであって、跳び越えたのではない。これは果たして鯉の滝登りと言えるか。このような龍門を泳ぎ渡っても、依然として鯉であって龍ではない。