衆生無辺誓い度す
煩悩無尽誓い断つ
法門無量誓い学ぶ
仏道無上誓い成す

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日常開示

2019年03月12日    火曜日     第6 回の開示 合計1338回の開示

ブラックボックス世界(五十一)

世俗における一切の法は如来蔵が幻化した仮相であるが、仮相には仮相の作用があり、その相を善用すれば即ち正真の菩提を得る。我々は「仮相は全て排除すべき」と聞いて一概に否定してはならない。仮相を滅する能力が我々にあるか否かはさておき、仮相を悉く滅したならば、菩提の真実相は如何にして道を修め得ようか。菩薩の修行は仮相を巧みに用いて一切の功徳を円満し、邪染を美善に変え、邪悪を清浄に転ずべきである。世俗法が己の意に沿わず、生存環境が自らを厳しく障害すると感じる者は、一切の世俗法を離れ滅して清浄を得んと欲する。しかしこれらの世俗法は自らの業種と相応するものであり、業を転じ心を改めてこそ、周囲の一切は意のままに順ずるのである。

修行が一定の境地に至れば、世俗法は自らを障害せず影響も及ぼさず、内面は次第にこれらの仮相の束縛から解脱する。我々は有効な修行によっても、これら六塵の仮相を転じ、悪を善に、醜を美に、不可意を可意に変えることができる。心が転ずれば内外の相分も同時に変化する。心地が転ずれば業種が変わり、相分もこれに随って転ずるからである。六塵の内外相分は完全に転換可能であり、心力が充分ならば石を指して金となすも難事ではなく、禅定を得た大菩薩たちは千変万化し、大地を黄金や瑠璃に変え、八地菩薩に至っては三千大千世界を化現して衆生を利楽する。心量が広大に修行が進み心力が強盛になれば、地水火風の四大種子の比例構造を転じ得る。四大の比例が変われば物質の構造が転じ、構造が転ずれば物質の属性が変化する。白雪を白糖に転じ、塵埃を金粉に化すことも、修行が時至れば一切の法の内外相分を転ずることは難事ではない。

——生如法師の開示
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