衆生无边誓願度
煩悩无尽誓願断
法門無量誓願学
仏道無上誓願成

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日常法話

2019年03月31日    日曜日     第1開示 合計1378開示

金剛経唯識深義(四十六)

原文:何故か。これらの衆生には、もはや我相・人相・衆生相・寿者相がなく、法相もなく、また非法相もないからである。

釈:世尊は仰せられる。何故か。如来の身相に執着せず、凡べての相はことごとく虚妄であると知るこれらの衆生は、すでに我相・人相・衆生相・寿者相がなくなっているからである。彼らはまず四つの相を破り、さらに進んで一切の法相を破り、無相に達している。自性清浄心は本来一つの法相もなく、現れる一切の相は即ち空と仮であるからである。

法は有為法と無為法、縁生法と非縁生法に分かれる。五蘊は法であり、十八界は法であり、三界はすべて法であり、真如もまた法であり、無為法である。凡そ人が認識しうるものはすべて法であり、見える見えないにかかわらず、存在するものは法であり、真の法と妄の法、生滅法と不生滅法、因縁によって成る法と先天にあり因縁によって成らない法があり、あらゆる角度、あらゆる面において区別がある。

法には因縁法と非因縁法があり、因縁法は即ち空であり、即ち妄である。非因縁法は本来からある法であり、即ち真実の法であり、壊れ滅びない法である。凡そ直接に成仏を指向する法は、究極の法であり、明心見性の法・真如の法は即ち究極の法である。そして究極の法に至る方法は方便法である。法相は有であり、非法相は空である。真実の心の存在を知らず、真空が妙有を生じることを知らない、このような無見・空見は断滅空見である。もし実相の心である第八識が存在しなければ、一切の相である法相・空相・仮相はどこから来るのか。もし虚空から来ると言うならば、それは虚空外道であり、虚空は何も生じることができない。もし大梵天・老母娘・上帝・イエスから来ると言うならば、では彼らはどこから来たのか。断滅空論者は一切を否定し、因果をも否定する。因果律は第八識によって実現され、それが業の種子を収蔵し、出力し、平等に衆生の因縁果報を実現するからである。一つの法も漏れ乱れることはない。

故に衆生が生まれながらにして性別・相貌・父母・貧富・寿命・生存環境などがそれぞれ異なるのは、第八識に含まれる業の種子が異なるからである。これらの業の種子は前世で造られたものである。金剛経中の章句に対して一念の清浄な信を生じることができる人は、四相を破っただけでなく、一切の法相もなく、さらに何もない断滅空の法相もない。そして四相を破って大乗・小乗の果位を証した人は、生死の依り所である第八識・阿頼耶識を信受しない者はおらず、そうでなければ証道の者ではない。

——生如法師の開示
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『金剛経』唯識深義(四十七)

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