衆生無辺誓い度す
煩悩無尽誓い断つ
法門無量誓い学ぶ
仏道無上誓い成す

生如法师のウェブサイトロゴ

日常開示

2019年04月26日    金曜日     第1 回の開示 合計1460回の開示

金剛経唯識深義(一一九)

原文:我無く人無く衆生無く寿者無きを以て、一切の善法を修めれば、即ち阿耨多羅三藐三菩提を得ん。

釈:世尊は説かれた。衆生の心の中に我相・人相・衆生相・寿者相を執着せず、我相無く人相無く衆生相無く寿者相無き心行をもって、世出世間の一切の善法を修行すれば、阿耨多羅三藐三菩提を成就するに至ると。

世尊は金剛経の冒頭において早くも衆生に四相を破砕され、四相を破した菩薩のみが金剛般若の理体に相応じ、諸法実相に相応じ、真如に相応じ、遂には阿耨多羅三藐三菩提に相応ずることを示された。衆生は無始劫以来四相に執着し続け、空性の理体と相応せず、この四相のために無量無辺の悪業を造り、劫を積んで生死の業海に沈没し、無量の苦を受け出期無き根源は、四相への執着という病にある。世尊は大慈大悲をもって、衆生の相に着き相を執る病根を抉り、巧みに種々の方便を設けて衆生の四相を破砕され、四相無きをもって生死の大火坑を出離せしめ給う。

何故四相無きが生死の大火坑を出離し得るのか。小乗の法から見れば、衆生は我相を破砕するだけで三悪道を出離し、自我の五陰身及び三界世間法への執着を断除する修行に至れば、六道生死輪廻を出離する力を得、こうして分段生死の火坑を出離し暫く休歇を得る。菩薩道と仏道へ進修を続けるにつれ、漸く種々の法執を破り、種々の変易生死を断じて涅槃真浄を証得し、ここに至って生死全く無く、生死の大火坑を真に徹底的に出離する。

菩薩道と仏道に入る起点は、本来四相無き金剛般若真如の心体を証得することにある。この四相無き理体に依って修行を起こせば、内心転々として清浄となり、世間一切の有為法相を破り、真如の相すら執わず、心空浄極まりて空浄、余すところ一毫の法相存在と執着無きに至り、斯くして初めて真如心体と徹徹底底相応じ、遂に円満に仏道を成就し阿耨多羅三藐三菩提を得る。故に世尊は説かれた。我無く人無く衆生無く寿者無きを以て一切の善法を修め、真如体性に相応ずるをもって、初めて阿耨多羅三藐三菩提を成就し得ると。

——生如法師の開示
前の記事前の記事

出家者の過失を説くことの果報

次の記事 次の記事

心所法とは心王の心行であります

ページのトップへ戻る