問:五識と六識は第八識の見分でしょうか。
答:六識は第八識の見分ではありません。第八識は六識を通じて一切の法を見ることはありません。第八識には自らの本体に備わる見分があり、それは五遍行心所法である作意・触・受・想・思です。第八識が法に対し作意を起こした後、法に触れ、法に触れた後にこれを領受し、その後で了別し、了別した後に法を知ります。これが第八識の見分であり、第八識が法を見る形式です。
ただし第八識が見る法の内容と六識が見る内容は全く異なります。六識が見る法は全て六塵の相貌に落ち込み、色・声・香・味・触・法の相貌を執取するもので、これは世俗法です。一方、第八識が見る法は世俗法の相貌に落ちず、色・声・香・味・触・法ではなく、意識では第八識が見るものを理解できません。従って第八識の見分は五識や六識ではありません。ただし六識が法を見た後、第八識の運作に一定の作用を及ぼします。この作用は、六識の見が意根に影響を与え、意根が影響を受けると相応の抉択が生じ、第八識は意根の抉択に依って次の段階の法を運行し、新たな法を生じさせる点に現れます。
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