衆生無辺誓い度す
煩悩無尽誓い断つ
法門無量誓い学ぶ
仏道無上誓い成す

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日常開示

2019年11月20日    水曜日     第1 回の開示 合計2045回の開示

『楞厳経』第五巻 二十五聖円通の法門における薬王・薬上二法王子

原文:薬王・薬上の二法王子並びに会中の五百梵天は、即座より立ち上がり、仏足を頂礼して仏に申し上げた。我らは無始劫より世の良医として、この娑婆世界の草木金石を口中に嘗め、その数凡そ十万八千に及ぶ。かくの如く苦酢鹹淡甘辛等の味を悉く知り、諸々の和合・俱生・変異を弁え、冷熱の別、有毒無毒を遍く知る。如来に奉仕し、味性が空にも有にも非ず、身心に即するにも非ず、身心を離るるにも非ざることを了知し、味因を分別してここに悟りを開く。仏如来の印可を受け、我ら兄弟を薬王・薬上の二菩薩と名付けられ、今この会中に法王子として、味覚の明により菩薩位に登る。仏が円通を問われしに、我らの証する所によれば、味因を以て上首とす。

釈:薬王・薬上の二法王子及び会中の五百梵天衆は座より起立し、仏足を頂礼して申された。我ら兄弟は無始劫よりこの世に良医として生を重ね、娑婆世界の薬草木石を嘗め、その数は無量である。故にこれら薬材の苦・酸・鹹・淡・甘・辛の味及び和合による混合変異の味を弁え、涼性・熱性、有毒無毒を悉く識別できる。

如来に奉事供養して以来、次第にこれらの味性が空有に非ず、身心に属さずとも身心を離れざることを悟り、味塵生起の因を参究して開悟した。如来より我ら兄弟の証を印可され、薬王菩薩・薬上菩薩と名付けられた。この法会では法王子として参与し、味塵の起因を弁別して諸法の実相を悟明し、菩薩位に登った。仏が円通法門を問われた故、我らの証得する所によれば、味塵生起の因を弁ずることを第一円通法門とする。

薬王・薬上二菩薩は六塵中の味塵より入道し、法王子の位に至り、仏に最も近い等妙覚菩薩となられた。長く薬材の味を嘗める中で疑情を起こし、味塵の由来を探究するに、その来処去処を得ず、味塵が因縁和合の法たることを証得した。空有に非ず、如来蔵の縁起による幻化の産物なり。般若大智が生じ、仏の印可を受け法王子となり、やがて成仏する。一切の万法は深甚なる禅定中に起因を究明すれば、因縁時節熟する時、小乗の空と大乗の空を証得し、空有不二・非一非異の微妙なる関係を明らかにし、もって諸法に迷わされぬ境地を得る。

——生如法師の開示
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