『円覚経』原文:一切の時にあって妄念を起こさず、諸々の妄心もまた滅却せず、妄想の境に住して了知を加えず、了知なきにおいて真実を弁ぜず。
解釈:これは如来蔵の定慧等持の境地を指します。如来蔵は常に定中にあり、出定する時がないため、永遠に念想を起こしません。虚妄の法ではないがゆえに、虚妄法の妄念もなく、虚妄なる七識心を滅ぼそうとする意欲もありません。如来蔵が七識の妄想によって現出した境界を顕現しながらも、それが妄想の境界であることを了知せず、自らのこのような不了知に対しても弁別を加えず、誰の不了知であるかを知りません。
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